Non Dubito · 108
Great Lives――108の生
108の生と、未完の目的の王国
これは偉人を顕彰する名士録でも、人生に最終判決を下す本でもない。108の生を通して、一人の人間がどう自分になり、世界をつくり、その限界に出会い、他者のための場所を残せるのかをたどる。「偉大」とは影響の大きさであり、道徳的な無罪証明ではない。
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現在108篇を公開中。うち108篇は全文改訂済みです。残りの抄録版も順次、全文版へ改訂します。
自分になる
老子からイエスまで。受け継いだ答えでは足りなくなったとき、人はいかに自分の方向を見つけ、それを万人の法として押しつけずにいられるのか。
世界をつくる
定理、帝国、科学、音楽、詩。人がつくった世界は本人より長く生き、その建設者が見なかった亀裂をさらす。
世界が人をつくり返すとき
無意識、制度、権力、信仰、言語が人の内側に入る。呑み込まれる者もいれば、隙間に代えのきかない場所を守る者もいる。
024フロイト――内へ掘り、暗部へ→025ラカン――地下室には鏡がある→026ドストエフスキー、フロイトより三十年早く→027カフカ――目が覚めたら、もう虫だった→028慧能、本来無一物→029ヘーゲル、余りをのみ込む→030ナポレオン――馬上の世界精神→031チンギス・カン――蹄の音が去ったあと→032マリア・スクウォドフスカ――名前だけでは語れない人→033ミケランジェロ、石の中に人がいる→034リンカン、この家を倒さないために→035ガリレオ、それでも地球は動く→036ウィトゲンシュタイン、沈黙のあとで→037アウグスティヌス、でも、まだ今は→038八大山人、白い目を空へ→039蘇軾、何を恐れよう→040西田幾多郎――無の場所→041日本の天皇制――空の玉座→
真理の線をどこに引くか
声が文字になる瞬間から、形、因果、意志、計算、存在へ。境界は世界を明瞭にしながら、何かを外に残す。
042ホメロス――声と文字の境界→043プラトン――あの日、彼はいなかった→044ヒューム――目が覚める→045ショーペンハウアー――幕の裏に何かある→046キルケゴール――午前三時→047チューリング――あの林檎→048チェーホフ――モスクワへ→049カントール――無限より大きい→050コペルニクス――その日、たまたま→051サルトル――他人は地獄だ→052ボーヴォワール――女に生まれるのではない→053クワイン――その線はない→054テスラ――体系に収まらない電光→055エジソン――灯がともった→056ハイゼンベルク――不確定→057ボーア――向こう側も→058トルストイ――処方箋→059シェイクスピア――作者がいない→060スピノザ――壁は初めからなかった→
生のあとに残る仕事
手、光、火、夢、色、制度。何を完成したかだけでなく、作品が作者を離れたあと何をし続けるかを見る。
私たちはどう知るのか
「語れるものだけが知識」から「語れないものが知識の地盤」へ。知ることは閉じた判決ではなく、開き直される循環になる。
079コント――亀裂をセメントで埋める→080ポパー――向きを逆にする→081ディラック――方程式が観察より先に着く→082屈原――美は認識である→083フィヒテ――認識者はどこに立つか→084マクリントック――彼女は先に感じた→085ヴェイユ――注意を向けるということ→086サッチャー――考え抜き、考えるのをやめた→087ナーガールジュナ――床さえ空である→088ヴァージニア・ウルフ――意識は時間の形を持つ→089湯川秀樹――見えない粒子→090アーレント――誰があなたの代わりに判断するのか→091アイリス・マードック――見ることは道徳→092イブン・ハルドゥーン――集団はどう自分を知るか→093ヴィゴツキー――認知は他者に引き上げられる→094ストローソン――床を敷き直す→095メルロ=ポンティ――身体は概念より先に知る→096ポランニー――語れるより多くを知っている→
他者と空席
他者に場所を残す十二の言葉が橋の空席に集まる。名士に与えられる席ではなく、自他を目的として扱う瞬間に現れる。
七つの楽章・108の生