図面にない部屋
縢秀星が厚生省地下で見るのは、液体に浮かぶ247の脳である。犯罪係数、色相、職業適性、ドミネーターの判断は、その集合による合議だった。構成員は、犯罪行為をしても係数が通常どおり上がらない免罪体質者である。万人を測る尺度は、自分が測れない者を外へ捨てず、判定者として内部へ組み込む。
五歳で閉じた地図
縢の色相は五歳で濁り、その後の人生は本人が責任を負える選択より前に決められた。施設に一生いるか、執行官として同じ潜在犯を狩るか。二択でも、両方を同じ制度が発行するなら地図の外へは出られない。チェ・グソンから反シビュラ側への逃走を誘われても、縢は自分の憎悪を正義に飾らず、どちらの用意した役も拒む。
死と結末の抹消
地下へ進んだ縢は、局長の義体を使うシビュラに分解され、遺体さえ残らない。記録は失踪から逃亡へ書き換えられ、組織のために死んだ人が、仲間を捨てた者として残る。システムは身体だけでなく、人生の最後の一文まで処理する。同じ真相を見た朱は希少な観察対象として有用だから生かされる。
自発性を消す入口
シビュラは安全と繁栄を実際に維持し、代替なしの破壊が多数の死を招くという弁護も正しい。免罪体質者の一部が参加を望んだ可能性もある。しかし一度脳として統合されれば、翌日に撤回する個人はいない。入口の同意が本物でも、出口を永久に消す。多くの選択肢があっても、尺度の外へ通じる道がなければ体系は閉じている。
対象作品: Production I.G / Gen Urobuchi, PSYCHO-PASS. TVアニメ第1期を主要テキストに、設定上の数値と制度を確認しながら、測定・適性・法・自己判断を読む独立した日本語批評です。