童話を読む · 14
アヒルの子が白鳥だとわかる――居場所を見つけることと、優しくされる資格を得ることは同じか
『みにくいアヒルの子』――本当の仲間を見つける前から、理由もなく傷つけられてよいはずはなかった。
母アヒルが、姿の違う子を最初にかばったとき、白鳥だとは知らなかった。孵った子たちを庭へ連れていくと、大きな灰色の子を見たアヒルが走り寄り、首へかみつく。母はやめるように言う。理由は難しくない。この子は誰にも危害を加えていないからだ。春の水に映る姿も、白い羽も、美しいという皆の称賛も、まだないときの言葉である。
かみついたほうは、大きすぎて変わっているだけで、そうされて当然だと思う。庭でいちばん偉い年寄りのアヒルも、ほかの子はよいのに、この一羽だけは孵り損ないだと言う。母は、性格はよく、泳ぎはほかの子よりうまいくらいで、育てば少しは美しくなるかもしれない、と説明する。攻撃を遮りながら、皆が大事にする物差しの中にも、ここにいられる理由を見つけようとしている。
二つのかばい方は近いが、少し違う。泳ぎがうまい、強くなりそう、のちには美しくなるかもしれない、というのは、本当は劣っていないと説明する言葉だ。一方、誰も傷つけていない、という理由には、どれほどよい子かを先に証明する必要がない。一方は集まりの評価を変えるかもしれない。もう一方は、まだよく知らないうちから、かみつく口をまず止めさせようとする。
それでも傷つけられ続ける。アヒルも鶏も七面鳥も、きょうだいも、餌をやる娘も加わり、初めはかばった母まで、遠くへ行ってほしいと思うようになる。物語では、母の愛でさえ、周囲の影響を一切受けない守りとはされていない。初日の弁護は確かにあり、のちの拒絶もまた本物だ。かばってくれた人にまで同じことを言われれば、子どもには、庭の中で安心して立てる場所がますますなくなる。
とうとう逃げ出す。突然の動きに小鳥が飛び立つと、自分が醜いからまた怖がらせたのだと思う。沼地の野鴨は、いるのはよいが自分たちの家族には入れないと言う。若い雁二羽は、醜いところがおもしろいと仲間へ誘うが、すぐに銃声とともに撃たれて死ぬ。猟犬がそばへ走ってきてもかまずに去ると、あまりに醜いから犬にさえ食いつかれなかった、と安堵するのだ。
こうした考えは、庭の評価を、その外まで運んでいる。初めは他人が醜いと言った。いまでは、少しでも拒まれたり誰かが驚いたりすれば、まず同じ理由で説明し、危機を逃れたことまで醜さのおかげにする。しかし語り手は、すべて見た目のために起こったと認めているわけではない。何度も追い払われた命が、他人に教わった言葉で、少しずつ自分を見るようになる。その声を聞かせている。
古びた小屋が、一時の宿になる。目の悪い老女は、卵を産むアヒルだと思い、何週間か様子を見ることにする。家には、卵を産む雌鶏と、背を丸め、喉を鳴らせる猫がいて、大切にされている。どちらにも本当にできることがあり、ここでの暮らし方もよく知っている。はったりだけで居座っているわけではない。ところが新入りが自分の考えを話すと、その能力が、誰に話す資格があるかを決めるものになる。
雌鶏は卵を産めるか、猫は背を丸め、喉を鳴らせるかと尋ねる。どちらもできないので、黙っているよう言われる。やがて泳ぎたくてたまらなくなり、そう話すと、雌鶏は暇だから変な考えを持つのだと答え、まず役に立つことを覚えなさいと言う。本当によく知り、心から好きな行動があるのに、この家の見方では、直すべき悪い癖にしかならない。
雌鶏は、友達として務めを果たしているつもりでもある。暖かい家があり、賢い仲間が教えようとしているのに、なぜ満足しないのか。しかし望むのは、猫にも水へ飛び込んでもらうことではないし、雌鶏に卵を産むのをやめさせることでもない。自分の体でもう一度、水の中であの動きをしたいだけだ。住まいは風をしのぐ問題を解いたが、どう生きたいかというすべての問いを、それで解いたわけではない。
そこで、今度は自分から去る。ただ追い出されるのでなく、ある程度の安定を得たあとで、別の場所を捜そうと決めたのだ。選んだからといって、すぐよいことがある保証はない。外はなお寒く、嫌う者もいる。しかし合わない場所を出られることと、その中の全員が悪いと先に証明することは違う。小屋には実際の助けがあった。ただ、その助けで、未来のすべてまで決まるのではない。
秋に初めて白鳥を見る。大きな白い鳥が翼を広げ、暖かな水辺へ飛ぶ姿に、忘れられないほど心が動く。名も知らず、自分も仲間になるとは考えていない。ただ、その飛び方と声に強く引かれる。物語では、何者かと知るより先に、そこが自分の居場所かもしれないという感覚がある。まず一つの暮らしへ引かれ、その引力が自分とどうつながっているかは、あとからわかる。
向かう先が見えたからといって、冬が暖かくなるのではない。周りの水を凍らせないため泳ぎ続けなければならず、ついには凍りつく。農夫が助け出して家へ連れ帰り、ようやく息を吹き返す。子どもたちは遊びたがるが、また傷つけられると思い、慌ててミルクやバター、小麦粉の中へ飛び込む。部屋はめちゃくちゃになり、女が火ばさみを振り、子どもが追い掛け、再び雪の中へ逃げる。
農夫に救われたのは本当であり、子どもが初めに近づいたのも、傷つける計画だったとは原作は書かない。そう認めても、怖がる気持ちを笑いものにする必要はない。あらゆる隅でつつかれてきたなら、新しい接近をすぐ遊びと理解するのは難しい。それでも、恐ろしいからといって、新しく来た人も最初から昔の加害者と同じだったと、代わりに決めることはできない。違う行為は、違うまま見ておきたい。
春には翼に力がついていた。庭の水辺へ飛ぶと白鳥が何羽かいる。近づけば無礼だとして殺されるだろうと、なお思い、頭を垂れる。すると水に、白鳥の姿が映る。我慢でアヒルを違う鳥へ変えたのではないし、褒められて初めて新しい体を得たのでもない。初めから白鳥の卵から生まれ、アヒルの群れで、孵り損ないの子と扱われていたのである。
これは大切な発見だ。前には場違いだった体を、アヒルの庭や小屋が求めるものに従って、説明し続けなくてよくなる。白鳥たちは周りを泳ぎ、子どもたちは餌を投げ、新しく来た一羽がいちばん美しいと褒める。恥ずかしく、幸せに感じる。美貌を認められたからといって、昔の仲間を罰しに帰ることもない。この喜びを偽物と疑う必要はない。自分に合う暮らしが見つかると、本当に多くのことが、すんなり運ぶようになることもある。
しかし、耐えていれば、いつか他人より高貴だと証明できる話だとだけ読むと、慰めはまた試験になる。排除された人すべてが、のちに最も美しい羽を持つわけではない。人と違うところすべてに、驚くべき才能が隠れているのでもない。最後に勝たなければ幸福と認められないなら、褒めてもらえない人は、いじめられなくてよいと証明してもらえる日を、いつまでも待つべきなのだろうか。
もっと簡単な出発点は、母が最初に言っていた。出自を知らず、将来の美しさも保証できなくても、かむのをやめて、と言えた。仲間を見つければ、どこで暮らすのがよいかに答えられる。能力がわかれば、何ができるかに答えられる。しかし理由なく傷つけられずに済むために、その二つへ満足な答えが出るまで待つ必要はない。一つの命を知るには時間がかかる。つつくのをやめるために、いつも同じ時間が必要なわけではない。
白鳥とアヒルに違いがないと言う必要もない。種の違いは童話の中で本当のことで、体の能力も、暮らす環境も違う。問題は、あらゆる場所があらゆる命に合わなければならない、ということではない。合わないなら、それだけを言えるか。辱められて当然だ、願いを真剣に聞く必要もない、とまで広げずにいられるかである。鶏と猫を育てるのが得意な小屋でも、あらゆる生命のあり方を決める、唯一の世界になる必要はない。
新しい白鳥は、自分の過去をめぐる裁判を開かず、アンデルセンは幸福の中にとどまらせる。復讐したくないのを受け入れても、傷ついた人すべてへ許すよう求めなくてよい。苦難でいまの幸運を深く味わうようになったと認めても、受けるべきでなかった傷を称賛する必要はない。ようやく何者かを知った。その知識は新しい生活に属するのであって、昔の庭で何度もつつかれたことを、後から正しいものに変えるのではない。
春の水に映る姿は、一つの疑問を解いた。しかし、優しくされてよい資格を初めて与えたのではない。冬の水でもがく命も、卵を産めず泳ぎの好きな来客も、白い翼をまだ広げていない子も、先に白鳥だと知る必要はなかった。最後に仲間と出会えたのを喜ぶとともに、最初のあの一言を、もっと早く言ってよい。この子は誰も傷つけていない。もう、かむのはやめよう。
出典
現在公開されている中国語の随筆を底本に、日本語の読者へ向けて独立して書き直した。明示された原話と参照訳に即した読解であり、原作の全文翻訳ではない。自分の居場所や能力を見つけることと、理由なく傷つけられてはならないことを分ける。恐怖、拒絶、助け、子どもの遊ぶ意図を一つにせず、白鳥の幸福を偽物にも、過去の攻撃の正当化にも変えない。
版についての注記
底本はアンデルセン「Den grimme Ælling」(一八四三年)。研究センター公開のハーショルト英訳を確認した中国語底本に基づき、パブリックドメインの英語文集に収められた物語の全文とも対照する。中国語の原随筆は原話を独自に語り直しており、現代の中国語訳をそのまま訳したものではない。母アヒルが初めは守り、のちには拒むこと、猫と雌鶏が設ける能力の物差し、農夫による救いと子どもたちの初めの遊ぶ意図、白鳥という出自と本当の幸福を残す。排除されることを隠れた才能の証拠とせず、この童話から心理や医学の診断も導かない。