漫画とアニメ · 『進撃の巨人』
『進撃の巨人』五つの読解
自由を奪うものは、壁だけではない
『進撃の巨人』は、閉じ込められた人類が怪物と戦う物語として始まり、やがて記憶、民族、国家、未来そのものが人を拘束する物語へ変わる。敵の正体が明らかになるたび、自由の意味も書き換えられる。
五篇はフリッツ王の平和から始まり、マーレの戦士候補生、エレンの未来記憶と地鳴らし、ユミルとミカサまでをたどる。問いは一つである。自由とは障害がないことなのか、それとも自分が最も望むものにも「否」と言えることなのか。
- 全5篇・第1篇百代先まで、彼が代わりに歩いたその本によれば、壁の外には海がある。向こう岸が見えないほど広い、塩水のかたまりだ。燃える水もある。地面のすべてが氷に覆われた場所もある。砂でできた雪原もある。
- 全5篇・第2篇死刑の席を奪い合う子どもたちマーレはいくつかの巨人の力を保有している。その力は無から生み出せるものではなく、エルディア人が継承するしかない。そして、受け継いだ者は十三年後に死ぬ。力そのものに刻まれた条件であり、例外も、回避する方法もない。
- 全5篇・第3篇彼は一度も考えを変えなかったほかの巨人の力が見せるのは過去だけだ。受け継ぐのは、歴代の継承者の記憶である。未来の継承者から記憶の断片を受け取れるのは、この巨人だけなのだ。
- 全5篇・第4篇ほかの道がないことを、何年もかけて確実にしたおそらく、この作品で最もよく知られた光景だ。同時に、最も丁寧に解きほぐすべき出来事でもある。何をしたのかではなく、何を根拠にしたのかを。
- 全5篇・第5篇誰も彼女を見張ってはいなかった自分が属する集団の、いちばん下にいた。あるとき囲いの豚を逃がしてしまい、獲物として森の中まで追われる。命からがら逃げるうちに、空洞のある大木の中へ落ち、そこで何かに触れて、この世界で最も強い力を得る。