追加の仕事は、たいてい具体的な事情から始まる。誰かが休み、期限が迫り、頼れる人が一度だけ穴を埋める。責任感や信頼から、自分の範囲を少し越えて動く。
最初は感謝され、二度目には頼られ、三度目には予定の前提になる。元の仕事だけをした日には、以前より消極的に見える。昨日の善意が、説明もなく今日の最低線に書き換えられる。
悪意がなくても起こる。管理者は成功しそうな人に急ぎの仕事を渡す。だが、その人が休息や長期の課題を削っていることは見えない。完成した結果だけが、まだ余裕がある証拠として使われる。
「一番信頼しているから」という称賛も、断れない理由になる。信頼は本来、裁量を広げるものだ。引き受け続けなければ信頼を失うなら、それは褒め言葉の形をした負債である。
役割内の仕事、短期の例外、長く続く新しい必要を分けるべきだ。長期化するなら、権限、資源、報酬、優先順位も変える。余分に動いた人が「今回はできるが次は仕組みを変えよう」と言えることが、信頼を持続させる。