SAE · Interfaces with the Philosophy of War · 日本語再構成版
インターフェース 03 / 08
手段は、それを握る手を作り変える
四つの反作用
手段は相手にだけ働かない。カントは将来の信頼を壊す手段を、アーレントは共同の力を暴力が置き換える過程を、マキァヴェッリは職業的な軍事集団が国家を作り変える危険を、SAE は情報格差と欺瞞が自陣の判断力を削る仕組みを示す。
四つは広い理論から狭い理論へ並ぶのではない。同じ技術が複数の反作用を持つこともあれば、一つの視角にしか見えない害もある。互いに置き換えられないからこそ、並べる意味がある。
公開され、全員が知っていても
ここで一つの盲点が現れる。ある子どもを別の子どもの身代わりにする計画が、公然と行われ、実行者も事情をすべて知り、恒久的な軍事組織も情報操作も生まないとする。それでも、その子の位置は「顔が似ている」という機能へ縮められている。
つまり情報格差を検査するだけでは足りない。個々の技術を問う前に、そもそも誰かの「目的としての位置」を消していないかという入口の問いが要る。四つの反作用検査は、その入口を通った後に初めて働く。
拒否できるか
第五の実務的な問いとして、「実行者は拒否できる位置にいるか」を加える価値がある。拒否権のない実行は、人を道具へ近づける。ただし拒否できる人が同意したからといって、配置全体が正当になるわけではない。同意は入口の問いの代わりにはならない。
そして、手段が自分を変えると知るだけでは人は止まらない。知識を判断力と拒否の制度へ変える方法、さらに SAE の手段論に情報格差とは独立した補助基準が必要かどうかは、まだ開かれている。