SAE学習論
学ぶ主体はどう育つのか
記憶と予測から、吟味、方向、他者の目的の承認へ
同じ「学ぶ」でも、出来事を覚えること、身体で手順を身につけること、誤りを点検すること、何のために続けるかを選ぶことは同じ働きではない。本シリーズは、その違いを能力の上下ではなく操作の違いとして描く。
SAEでは、11DDを記憶の座標、12DDを予測の座標、13DDを否定的吟味の座標、14DDを何度見直しても容易には手放せない方向(以下「譲れない方向」)の座標、15DDを他者も独立した目的をもつと承認する座標と呼ぶ。DDは説明用の分析座標であり、脳部位、診断、人格の階級、固定した年齢段階ではない。
学習者の自律を支える働きを涵育と呼ぶ。反対に、教える側の目的を学習者自身の目的に置き換えることを構造的植民化と呼ぶが、これは歴史的植民地主義とは別の分析語である。日本の受験、部活動、母語・外国語経験も、国民性ではなく局所的な例として扱う。
- 全4篇・第1篇 · 11DD + 12DD記憶し、予測する学び11DDと12DDを、記憶素材と予測脚本の座標として区別し、間隔学習、技能、母語・外国語、複数言語環境、感情文脈と教育倫理を考える。
- 全4篇・第2篇 · 13DD吟味し、誤りを直す学び13DDを、予測の自動運転を止めて確信度・前提・枠組みを点検する座標として描き、批判的思考、熟達、休息、教育環境との関係を考える。
- 全4篇・第3篇 · 14DD方向を引き受ける学び14DDの「譲れない方向」を、有用性、衝動、強迫、使命感と区別し、事実への修正可能性と健康上の境界を保った目的学習として考える。
- 全4篇・第4篇 · 14DD → 15DD他者の目的を承認する学び14DDから15DDへの橋を、読心ではなく、同意、撤回可能な自己申告、境界、共同修正を通じて他者を独立した目的主体として扱う実践として描く。