ゲーム批評・全4篇 · 01 / 04
二十四の声
記憶喪失は自由な白紙を作らない。名前を失った空所へ、能力、政治、警察、他人の侮辱が既製の自分を差し込もうとする。
ゲームが見せること
ハリーの二十四のスキルは、有能な助言者であると同時に自信満々の嘘つきでもある。論理と共感、権威と恐怖が矛盾する命令を出し、どれも自分こそ本人の声だと主張する。
選択の重さ
プレイヤーは一つを黙らせるのでなく、限られた点数で声の強さを配分する。人格は奥に隠された正解ではなく、どの声を聞き、疑い、行為に移すかの蓄積になる。
残る問い
『本当の自分』は過去を回収すれば自動的に戻るものではない。過去を知った後も、今日どの声に次の一歩を渡すかは本人の仕事として残る。
日本語読者に向けて独立に編集・再構成した版です。