期限、件数、エラー率、応答時間。共同作業には測定が必要だ。基準がなければ、評価は上司の好き嫌いや印象に流れやすい。数字は公平さを支える道具になりうる。

問題は、測れる部分が仕事の全部になるときだ。処理した問題は数えられても、事前に防いだ問題は見えない。自分の成果は記録されても、新人を助け、知識を残し、対立を調整した時間は数字になりにくい。

見えないから重要だというわけではないし、成果不足の言い訳にしてもならない。問うべきなのは、指標が何を捉え、何を外に置き、外に置いたものが数字の成果を支えていないかである。

指標は行動も変える。短期の件数だけが評価されれば、難しい案件を避け、助けを断り、保守を先送りする。数字が正確でも、測る対象が狭ければ、組織を悪い方向へ正確に導く。

よい評価は数字を判断の代わりではなく材料として使う。仕事の難度、条件、長期の影響、周囲の確かな観察、本人の説明を合わせる。数字の明確さと、その限界の明確さの両方が、人を任意の評価から守る。