物語と構造 · 古代物語 · 全19篇 · 14 / 19
ミダスの黄金の手――すべてが一つの価値へ還元されるとき
黄金は富を増やすのではなく、食物、飲み物、触れることの違いを消してしまう。
物語の場面
ミダスは触れたものをすべて黄金へ変える力を願う。机も果物も水も輝くが、食べることも抱きしめることもできなくなる。
別の読み方
問題は欲張りの量だけではない。一つの尺度があらゆる対象を完全に翻訳すると、価値が最大になる代わりに、異なる用途と関係が消える。
残された問い
価格は比較を助けるが、比較できることと置き換えられることは同じではない。増えた数字のそばで、何の違いが失われたかを見られるだろうか。
中英版の論点をもとに、日本語で独立に再構成した読解。異なる伝承を一つの教義へまとめず、それぞれの場面が残す問いを開いておく。