欲しいという感覚には力がある。長く押し殺されてきた人にとって、それを認めること自体が回復になることもある。

しかし欲望を見つけた瞬間に命令へ変えると、別の自分や他人の生活が消える。今夜の衝動と、来年も守りたい約束は同じ時間を生きている。

欲望を否定せず、何を求めているのかを細かく見る。対象そのものか、承認か、休息か、逃げ道かで、選べる行動は変わる。

「感じてはいけない」と「従わなければならない」の間には広い場所がある。そこで欲望は、主人でも敵でもなく、自分の判断に参加する一つの声になる。

欲望の扱いには延期も含まれる。一週間後にも望むか、別の形で満たせるかを試す時間は、欲望を軽視するのではない。むしろ一瞬の勢いと、長く続く自分の方向を区別する敬意である。