病気、失職、老後。具体的な危険に備えることは合理的で、お金は確かに被害を小さくできる。
しかし想像できる不幸を全部防ごうとすると、新しい残高にも新しい不安がつく。安心の基準が「何も起きないこと」になっているからだ。
何に、どれくらい、どの手段で備えるかを分ける。保険、家族、公共制度、技能など、お金以外の回復力もある。
安心とは未来を支配することではなく、起きた後に次の一手を持てることだ。その定義なら、備えにも休む地点をつくれる。
不安が強い日は、資産額を何度確認しても短い安心しか得られない。数字の不足ではなく、確認行為が安心の代わりになっているからだ。具体的な備えを終えたら、確認する頻度にも上限を置ける。