
写真には港も、見慣れた白い尖った屋根の群れもない。画面を埋め尽くすのは小さなタイルだ。細かく光る灰青色の四角い面の間を、乳白色の細い帯が斜めに走る。その帯の両側では、暗い目地がさらに一区切りずつ分けている。目が格子をたどって縦横の方向をつかんだと思うと、別の斜線に導かれる。オペラハウス公式の細部写真を見る
これはシドニー・オペラハウスの屋根の表面だ。遠くからは「一面の白」で済ませられる場所にも、近くで見ると異なる反射、目地、方向がある。輪郭が世界中で知られたからといって、近づいてから見られるものが尽きたわけではない。
シドニー・オペラハウスはベネロング・ポイントに位置し、複数の上演空間を持つ。デンマークの建築家ヨーン・ウツソンが1957年の国際設計競技で選ばれ、1959年に工事が始まった。ウツソンはアラップの技術者たちとともに屋根の設計と建設を進めたが、費用、設計の主導権、工事の進行などをめぐる対立の中で、1966年に計画を離れた。その後をピーター・ホール、ライオネル・トッド、デイヴィッド・リトルモアのチームが引き継ぎ、ホール、ホワイエ、ガラスの外周壁など重要な部分を完成させた。正式開館は1973年10月20日である。今日見る建築を、一人の建築家がスケッチから竣工まで中断なく実現した個人作品に縮めることはできない。設計競技とウツソン;1966年の決裂;ホールとその後の完成;正式開館
「帆に似ている」という連想は分かりやすい。けれども、それだけでは、なぜこの屋根群が繰り返し見るに値するのかを説明できない。共通の曲面を出発点としながら、見える大きさ、向き、重なりはそれぞれ異なる。その下の基壇は、これらの変化に比較的安定した境界を与える。共通の球面曲率が、異なるシェルを反復可能な方法でつくることを可能にし、基壇、リブ、タイルは、遠くの輪郭だけで見ることが終わらないようにしている。
一 白い屋根の下には、歩いて上がれる地面がある
ウツソンの『設計原則』に収められた二枚の完成写真を並べて見たい。中央の1993年の写真では、最大の白い曲面がほぼ直立し、右側へ向かって屋根が次第に低くなる。右の1989年の写真では方向が変わり、上部に木の枝がかかり、背後にハーバーブリッジが見える。同じ屋根群が、互いに交差する尖った面になる。公式文献の印刷13ページ、図15・17/PDF15ページ


両方の写真の下には、長く厚い基壇がある。上端はどこでも水平というわけではないが、全体として横へ広がり、上の高低の大きな輪郭とはっきり異なる。まず紙で基壇を隠し、白い屋根だけを残してみると、注意は曲面の広がりに向かいやすい。基壇を戻すと、屋根には出発点が生まれ、持ち上がる縁には比較のための水平の尺度ができる。
港側から見れば、この基壇は建築の「地面」に近い。陸側から近づけば、登るべき高さになる。1962年の施工写真では特によく分かる。まだ屋根が形を成す前から、広いプラットフォーム、階段、二つの主要ホールの配置が岬を占めている。公式文献の印刷11ページ、図12/PDF13ページ
この未完成の写真は、基壇が白い彫刻のために後から足された台座ではないことを思い出させる。基壇は建物と都市のつながりを組み立て、人々が到着するための広がりを用意していた。階段によって上昇は段階的な動作となり、プラットフォームはホールへ入る前に、立ち止まり、集まり、港を振り返る場所を与える。ウツソンは設計の説明で、この持ち上げられた公共の地面を、自分が見たメキシコの古代の基壇建築に結び付けている。『設計原則』印刷9~10ページ/PDF11~12ページ
写真は実際にこの道を歩くことの代わりにはならないが、二つの尺度を示すには十分だ。水上からは基壇全体が屋根を支える姿が見え、階段を上がって入るときには、その全体を少しずつ歩いていく必要がある。遠くの都市の象徴が、ここで身体で近づける公共建築になる。
二 輪郭と輪郭の間には空が残る
二枚並んだ外観写真をもう一度見よう。最も外側の一本の縁だけを追ってはいけない。
近くの曲面が後ろの曲面を隠し、ときには小さな暗部を残し、ときには背後の高い尖端が手前の縁を越えて現れる。そのため、同じ白でも前後が見分けられる。一方は欠けるところのない明るい面を見せ、他方は細い縁だけをのぞかせる。光へ向かって広がる面もあれば、向こうへ曲がって暗いくぼみになる面もある。
屋根の尖端も、同じ水平線には並ばない。視線は一つの頂点を越えるといったん低いところへ下がり、次の曲面でまた持ち上がる。リズムをつくるのは高低の間隔であり、同じ尖った屋根を連続して複製することではない。
ここには見落としやすい別の形もある。屋根の間の空だ。二つの白い面が近づけば空は細い楔形に挟まれ、離れれば外へ開く。建築の縁の起伏は、同時にこれらの空隙を形づくっている。屋根を帆、貝、翼と呼ぶことをいったんやめても、どの縁がどの縁を隠し、どの切れ目が背後を見せ、どこが続き、どこが急に途切れるのかを比べられる。
こうした観察には、それ自体の価値がある。建築史は誰が設計し、どう建てたかを教え、イメージの連想は素早く記憶する助けになる。しかし、一つの曲面が別の曲面の前でどうふくらみを感じさせるかは、具体的な視角に戻らなければ分からない。写真が変わっても覚えた名前は変わらないが、前後の層は並び直される。この建築には、他の角度すべての代わりになる「標準の表情」はない。
三 同じ球面は、同じものの列をつくらなかった
これほど違って見える曲面群には、確かに共通の幾何学的な出発点がある。
公式の歴史解説によると、屋根にはさまざまな幾何学的案が試され、最終的に共通の球面から曲面を取り出す方法が採用された。それにより、一つずつ解決するのが難しかった形に、反復製作の基盤が与えられた。屋根のリブと被覆部材も、互いに整合するシステムをつくれるようになった。オペラハウス公式サイト:球面による解決
『設計原則』の一組の説明模型は、この関係を三つの画面に分けて示している。まず球体上に曲面を示し、次に選んだ部分を持ち上げ、最後に白い部材を別々に並べる。一見すると球から取った破片のようだ。少し見続けると、模型が説明するのは「すべての屋根を組み合わせると完全な球になる」ことではなく、違って見える断片が共通の曲率を出発点にできることだと分かる。公式文献の印刷17ページ、図24/PDF19ページ

出発点が共通でも、輪郭が同じとは限らない。どれほど長く広い片を取り、どちらへ向け、別の片とどう接ぐかによって外縁は変わる。実際の見え方には遠近法と遮蔽も加わる。こちらを向く曲面は広く見え、横へ向けば狭くなる。写真の中の曲がり具合を、そのまま曲面自体の曲率と見なすこともできない。
これこそ、球面の解法の建築としての面白さだ。幾何学は屋根が最後に球に見えることを要求しなかった。反復して使える一組の関係を与え、異なる断片を共通の方法で扱えるようにした。遠くから見える豊かさは、一枚ごとに全く別の規則を発明することに依存していない。
だが逆に、球面からできていると知ったからといって、写真の変化をすべて説明したことにもならない。なぜある角度では伸びやかに、別の角度では密に見えるのかは、配置、光、基壇、画角とも関係する。幾何学は深いところのつながりを明かすが、目の前の違いを消し去りはしない。
四 白い一面から、一本ずつのリブへ
施工写真は、屋根を分けて見る別の方法を与える。
『設計原則』印刷19ページの三枚の図では、ある部分はすでに連続した表面になり、別の部分では骨組が列をなして露出している。特にはっきりしているのは一番右の写真だ。手前の白い面は完成に近いが、後方の高い部分はまだ面を張っていない扇のようで、何本もの曲がったリブが低いところから広がっている。公式の施工写真、図25~27/PDF21ページ

こう見ると、「シェル」を一度で打設された、どこも均一な一枚のコンクリートの皮と理解するのは適切でない。ウツソンの設計説明には、コンクリートのリブを分節してプレキャスト製作し、ポストテンションによって接合・組立てを行い、外側をタイル付きの部材で覆ったとある。曲面全体は、別々につくり、つなげることのできる部分から生まれている。『設計原則』印刷16・18ページ/PDF18・20ページ
この知識は写真の読み方を変える。それまで一筆で済ませた曲面に、下から上へ延びる道筋が現れる。リブの間隔によって、巨大なスパンはもはや測りにくい白い一面だけではなくなる。連続する表面と分節された施工は互いを打ち消さず、前者はまさに後者によって少しずつ実現される。
別の写真は、大階段の下へ視線を導く。コンクリート梁の底面は折れ形が連続し、近くでは暗く、遠くでは明るい。その下に一人の作業員の姿がある。遠くから屋根を見るときより、実体の感覚が明らかに強い。くぼむ影と突き出す縁が、材料の占める厚みを見せる。Max Dupain撮影、図31/PDF25ページ
上のシェルと下の梁には、このようにつながりがある。大きな表面はどちらも、細分を完全には隠していない。ただし、リブに方向が見えるからといって、それだけで力の流れをすべて読み取れるわけではない。反復製作できる幾何学かどうかと、自重、風、その他の作用に耐える構造かどうかは、関係はあっても異なる問いだ。写真で感じる「軽やかさ」も、工学的な検証の代わりにはならない。
五 白は、少しずつ違う多くの明るさからできている
冒頭のタイル写真に戻ろう。細かく光る小さな四角と、斜めに並ぶ淡い帯は、気ままに足された装飾ではない。
ウツソンの設計説明は、光沢のある主なタイル面と、縁の艶消しタイルを区別している。公式資料には、粒状感がありながらまぶしすぎない表面を得るため、スウェーデンのヘガネス工場で試作が重ねられたことも記される。大きな屋根は小さなタイルで覆われ、タイルはさらに大きな組立て部材へ組み込まれた。『設計原則』印刷20~22ページ;「Sydney Tile」の公式解説
この接写の灰青色と乳白色を、すべて材料固有の色と考えることはできない。反射、光、撮影も関わっている。確かに言えるのは、同じ画面内の表面が一様には光っていないことだ。細かな光点が密集する小片がある一方、その隣の細い帯は比較的静かだ。目地は秩序を保ち、反射は各区画にわずかな違いを与える。
公式文献に収められた別のタイル面の写真では、この関係がさらによく分かる。左下の明るい部分は格子に沿って広がり、斜めの帯を横切るところで途切れる。右上へ目を移すと、格子の配置は消えていないのに、反射は弱まっていく。公式文献の印刷21ページ、図29/PDF23ページ

このように、曲面の連続と材料の細分は同時に目に入る。遠くでは小片どうしの差が一枚の屋根へ溶け込み、近くでは一つの屋根が十分な細部へ開かれる。その尺度は港の全景で止まっていない。
「帆に似ている」という連想も、ここで豊かになる。立ち上がる輪郭を好みながら、それが重厚なプラットフォーム、分節されたコンクリート、光りも静まりもするタイルを持つことを知っていてよい。建築の魅力は材料を忘れるようには求めない。むしろ、一つの目地、一段のリブに戻ってから全体へ目を上げると、白い輪郭にさらに多くの層が加わる。
任意の補読|共通する形か、共通する理由か
秦漢の「どちらの答えも正しいのに、なぜこちらのほうが美しいのか」は、数学の美を論じる際、正しい結果を得ることと、なぜ成り立つかを見通すことを区別する。短さ、有効性、さらには美しい図形を持つことさえ、それだけで理解になるわけではないと注意を促す。
シドニー・オペラハウスを手掛かりに、小さな比較ができる。ただし、まず建築写真を離れ、紙に円を一つ描こう。
同じ円から長さの違う二つの弧を写し、それぞれから同じ長さの短い弧を選ぶ。透明紙に写した短い弧を回してもう一方に合わせると、重なる。元の全長が異なっても、局所の曲がりに別の規則が生まれたわけではない。次に円全体を相似に縮小し、その小さな円から同じ長さの短い弧を写して、重ねてみる。円はなお「同じ姿」だが、曲がりの程度は変わっている。これは平面の円弧の実演であり、屋根の三次元構成をすべて証明するものではない。
ここで球面模型に戻れば、二つの言い方を区別できる。「これらの屋根は互いに似ている」と、「これらの曲面には共通の幾何学的な出発点がある」。前者は形象をどう認識するかに関わり、後者はさらに確かめられる関係を示す。似た輪郭が同じ曲率を保証するわけではなく、異なる輪郭が共通の曲率を排除するわけでもない。
SAE(Self-as-an-End)の数学の美がここで加えるのは、この建物に「数学があるから美しい」とラベルを貼ることではない。聞き慣れた一言を、自分で問い直せる理由へ戻すことだ。円弧の練習は、オペラハウスが必ず美しいことも、屋根が安全であることも証明しない。ただ、共通の関係が何を保ち、何の変化を許すのかを、より明確にしてくれる。
図版と資料
本稿はオペラハウス公式サイトの写真、公式公開のウツソン『設計原則』、建築・工学資料に基づき、現地訪問記ではない。用いた図像には完成写真、施工写真、設計模型が含まれる。模型やウツソンの当初案は、1973年の完成状態のすべての細部と同じではない。動画を見たものとして動線、音響、現地体験を推測してはいない。
- ウツソン『設計原則』2002年5月、公式PDF:写真、図面、当初の設計意図の主な出典。位置を探しやすいよう、本文では印刷ページとPDFのページ順を併記した。
- シドニー・オペラハウス:球面による解決:幾何学的案の発展とタイル製作。
- シドニー・オペラハウス:ピーター・ホールと建物の完成:後続設計チームと、ホールやガラスの囲いの完成。
画像は外部リンクでのみ参照でき、本稿の納品ファイルには埋め込んだり複製したりしていない。