SAE · Rights Theory · 日本語編集・再構成版
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権利と権力が接するところ
同じ関係を両側から読む
権利は他者の行為空間を変える。所有権、契約上の請求、投票権は、誰かに義務、責任、無権能を負わせる。その意味で権利は権力の側面をもつ。しかし権利そのものが権力に還元されるわけではない。権利には請求、自由、権能、免除が含まれ、権力はその一部の作用を記述する。
使われていない財産も背景の法執行を通じて他者の選択肢を形づくる。したがって「実際に命令したときだけ権力になる」とは言えない。同時に、影響を受けた人が抵抗を表明しなければ権力が存在しない、ということでもない。
権力が権利になる高い門
権力が有効な法的地位になるには制度が必要である。正当な権利になるにはさらに、基礎的権利を尊重し、影響を受ける人に公的に説明できる理由が要る。慣行、勝利、長期の支配だけでは道徳的な権利は生まれない。
ここで重要なのが、方向転換の権利と退出権である。人は与えられた役割の延長だけでなく、新しい方向へ自分を展開できる。自発的な関係から退出できることは、関係に飲み込まれないための底線になる。ただし退出は、子への養育義務、正当な契約、適法な刑罰を一方的に消す万能札ではない。正当化、比例性、審査が必要である。
財産権という横断例
財産権の法的有効性と道徳的正当性は分けられる。制度は所有者、移転、救済を定めるが、その配置が他者の生存条件や主体としての地位を破壊するなら、制度的に有効でも正当性は問われる。
権利と権力は同じではないが、離れてもいない。権利を持つとは、しばしば他者の可能性を変える位置に立つことであり、その位置は常に正当化の対象である。