SAE · Rights Theory · 日本語編集・再構成版
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権利の源泉とスペクトル
権利の出発点
権利の根拠は、成熟した人がいつでも明晰に自己を語れることではない。出発点は、ある存在が第一人称の生をもち、単なる物へ完全に還元されないこと、そしてその生が時間のなかで発展しうることにある。乳児、眠っている人、長期の支援を必要とする人を排除しないためには、現在の反省能力を入場試験にしてはならない。
SAEはこの地位を自己立法と結びつける。主体は外部命令だけで自分を尽くすことができず、行為理由を形成し、検討し、引き受ける。この要求が、生命、身体、強制からの保護といった基礎的権利の根拠になる。
二本の軸
第一の軸は基礎的権利である。これは主体として立つことと、そのために代替できない条件を守る。制度以前の道徳的根拠をもつが、現実に守るためには法、資源、他者の義務が必要になる。
第二の軸は承認型権利である。投票、契約、所有、社会保障の具体的資格などは、制度が作る形式、共有された期待、執行の仕組みに依存する。しかし制度が作ったから正当なのではない。基礎的権利との整合性と、公に説明できる理由が正当性の門を構成する。
開かれたスペクトル
権利は固定された一覧ではない。新しい技術、家族形態、依存関係、政治的排除が、以前は名づけられなかった侵害を可視化する。新しい権利が現れるとは、何もないところから道徳が発明されることではなく、主体の地位に関わる要求が制度的な言葉を得ることである。
スペクトルの上端にあるのは「必ず話せ」という命令ではない。沈黙や退出も主体の選択である。守られるべきなのは、他者や制度がある人を永久に発言不能・応答不能な存在として封じ、共通世界に戻る道を消してしまわないことである。