NON DUBITO · 映画を読む
映画を読む
他人から与えられた役割だけでは語り尽くせない人々を、十五の映画から読む。各篇は結末を含む。今後も作品を追加していく。
『ショーシャンクの空に』を読む
ブルックスの死、アンディの使い道、レッドの仮釈放。この三つから、制度が人を役割そのものに変えていく過程と、その使い道に収まらない人間が再び姿を現す瞬間を読み直す。
02『さらば、わが愛/覇王別姫』を読む
規格に合うまで削られた小豆子。体に叩き込まれた「可憐な娘」。そして自分を買い戻し、人との関係を芝居の外へ連れ出そうとする菊仙。三篇を通して、その道筋を読む。
03『フォレスト・ガンプ/一期一会』を読む
規格に照らして何度も判定されるフォレストから、自分の命を改めて引き受けるダン中尉へ。そして、ジェニーの痛みを確かに見つめながら、その人生を他人の物語へ押し込めてもいる映画へ。三つの評論で、この道筋をたどる。
04『タイタニック』を読む
取引として仕組まれた結婚から、すでにある階級の差が災難のなかで生存の機会の差へと変わる過程へ。そして恋の終わりから、ローズが自ら書き上げた八十四年へ。三篇を通して『タイタニック』を読む。
05『レオン』を読む
殺すための道具に育てられた男から、無条件に大事にされることを言い表す言葉を探す子どもへ。そして、裏切られてきた二人が互いを疑わずにいられることで、ほんのひととき、帰る場所を持つまで。三篇でその道筋をたどる。
06『千と千尋の神隠し』を読む
名前を奪う契約から、交換の言葉を覚えるカオナシへ。そして、湯屋が財産に変えてしまった存在を、一人の子どもの記憶がどう取り戻すのか。三つの文章で読み解く。
07『ライフ・イズ・ビューティフル』を読む
グイドが昔から持っていた喜劇的な想像力から、収容所でのゲームが生き延びるための仮設の仕組みになるまでをたどる三篇。そして、ゲームをつくった人がいなくなった後に、本当にやってくる戦車について。
08『インターステラー』を読む
この三篇は、果たせと求める相手のいる約束から出発し、帰る場所のない英雄が抽象的な目標によって内側から空洞になっていく姿をたどる。そして、時間を越えて届く助けを受け取りながらも、マーフがいかにして、救出を本当に成し遂げる主体となったかを読む。
09『インセプション』を読む
コブがモルに植えつけた考えから、仕組まれた和解によってフィッシャーが自由を感じながら操作を成就させるまで、そして最後にコブがなぜ回りつづけるコマを置いていくのか。三篇を通して読み解く。
10『シンドラーのリスト』を読む
戦争で儲けようとする男の手腕は、いかに別の目的へと転用されるのか。名簿は、いかに買い付けの言葉で人を救うのか。そして生存者たちは、いかに映画の外へ踏み出し、自分の手でシンドラーの墓に石を置くのか。三篇を通して、その道筋を読む。
11『トゥルーマン・ショー』を読む
コンテンツとして生産された一つの人生から、恐怖がいかに監禁を自発的なものに見せるか、そしてトゥルーマンがなぜ外の世界のほうがよいと証明しなくても扉を出ていけるかまでを、三つの論考でたどる。
12『HACHI 約束の犬』を読む
この三篇は、交換を条件としない関係から始まる。初めは数のうちに入れられていなかった存在を、駅の人々はどう世話の輪に迎え入れるのか。そして、自分の立場を弁護できない命の重みを、人はどう決めるのか。
13『海の上のピアニスト』三つの読み方
どの名簿にもいない一人の男から、三篇は始まる。受け継いだ境界が、どうして彼が自分のものと認める世界になったのか。そして友情が、彼に同意しないまま、どうやってその人を大切に残したのかを読む。
14『きっと、うまくいく』を読む
三つの論考は、学びを順位に変えてしまう大学を出発点に、ファルハーンとラージューが自分で背負うしかない、それぞれに異なるリスクをたどる。そして、ランチョーが後に成功したからといって、なぜ結果の分からなかった当時の行為すべてを正当化することにはならないのかを考える。
15『コーラス』を読む
子どもを主に罰によって見分ける学校から、クレマン・マチューが小さな行動を重ね、一人ひとりの声に居場所をつくる過程へ。そして、のちの成功を待たずに、すでに答えとなっていた紙飛行機へ。三つの評論で『コーラス』を読み直す。