Non DubitoEssays in the Self-as-an-End Tradition
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物語と構造 · 叙事詩の伝統 · 全20篇 · 09 / 20

フランチェスカの物語――美しい言葉は誰から動詞を奪うのか

彼女の語りでは愛と本が行動し、二人の選択は文法の背後へ退く。

物語の場面

フランチェスカは『愛』が彼と自分を捉え、本の一節が二人の口づけを導いたと語る。ダンテは同情して気を失うほど、その物語は美しい。

別の読み方

同情することと、語りの文法をそのまま受け取ることは別だ。愛を主語にすれば、欲望を生んだ制約も、自分たちが行った選択も見えにくくなる。

残された問い

責任を認めることは痛みを冷たく裁くことではない。自分の文にもう一度『私は』を置くことは、物語の作者としての場所を取り戻すことでもある。

中英版をもとにした日本語での独立再構成。英雄を裁くためでも、叙事詩を現代の標語へ縮めるためでもなく、壮大な物語が残した人間の問いを開く。