SAE基礎テキスト · 日本語編集・再構成版
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主張はどこまで届くのか
判定の前に住所を聞く
一つの命題は内容が正しくても、適用範囲を広げた瞬間に誤ることがある。ある対象への観察をすべての主体へ、ある理論分岐の結果をSAE全体へ、採用した公準の帰結を公理からの必然へ移すと、結論ではなく住所が壊れる。
第一批判は各主張に四つの座標を求める。何についての判断かという対象、どの概念段階に属するかという層、どの理論選択の内部かという分岐、どの公準に依存するかという公準である。境界を書くことは弱さではなく、その主張が本当に立てる場所を確保することだ。
切断が残す四種類の負債
認識の切断は少なくとも四種の負債を残す。対象を取り込み切れない摂取不足、正しい内容を誤った住所に置く配置ミス、一つの切断が二つの側を同時に傷つける二重打撃、そもそも現在の場の外にあるものを場内の語で裁く場外化である。
この区別が重要なのは、修正方法が異なるからだ。摂取不足には追加の作業が要る。配置ミスには再配置が要る。二重打撃では両側の損失を追跡する。場外化では、いまの形式が問いを扱えるかから見直す。何でも『余項』と呼ぶと、どの負債を返すべきか分からなくなる。
裏面と余項を混同しない
区別で表面と裏面ができても、裏面がそのまま余項なのではない。裏面は切断によってすでに組織された位置であり、余項はその二分法にも収まり切らない。物自体も万能のゴミ箱ではなく、対象ごとに認識の限界を示す複数の名前として扱うべきだ。
住所を厳密にしても進歩は消えない。局所的な主張は局所的だから価値が低いのではない。適用範囲を明記した獲得は、無制限を装う主張より強い。終点へどれだけ近づいたかは測れなくても、何を得て、何を残し、どの条件で有効かは記録できる。