文明史の構造座標
文明史を三つの層から読み直す
古代の思想的離陸から、制度と関係の再編、アメリカの実験まで
文明史は、王朝や思想家の列だけではない。法、宗教、家族、官僚制、市場が人の生を支え、ときに人の目的を代行してきた過程でもある。本シリーズは個体層・関係層・制度層を分け、その相互作用を追う。
比較の単位は国民性ではなく、ある時点の構造である。西欧、中国、日本、朝鮮、アメリカを固定した本質へ還元せず、同じ社会の内部にあった複数の制度、対抗線、未完の選択肢を残す。
五篇は古代、中世、近代、模式、アメリカ制度史へ進む。傾向と時機を区別し、外的条件を目的の源泉にせず、座標定位を文明ランキングに変えないことが、全篇を貫く方法上の約束である。
- 全5篇・第1篇 · 約紀元前800年–紀元500年古代――思想の離陸と帝国の拡張「軸心時代」という論争的な枠から、アテナイ、先秦、ローマ、秦漢、律令形成を読み、個体の声と制度拡張が交差した古代の座標を描く。
- 全5篇・第2篇 · 約500–1500年中世――制度と関係が重なるとき教会と封建関係、科挙と理学、武家政権と徳川秩序、モンゴル帝国、朝鮮王朝を通じ、涵育と植民化が長期運用の中で反転する条件を問う。
- 全5篇・第3篇 · 約1500–1939年近代――裂け目、再建、総動員宗教改革、啓蒙、革命、明清の危機、明治再編、産業資本主義、世界大戦と全体主義を、解放の直後に新しい植民化が生じる鑿構として読む。
- 全5篇・第4篇 · 時代横断の総合模式――座標から何を言え、何を言えないか古代・中世・近代の定位を六つの作業仮説へ圧縮し、制度膨張、関係の媒介、涵育の漂移、鑿構の加速を、反証条件と理論の自己植民化の危険まで含めて示す。
- 全5篇・第5篇 · 1776–1971年アメリカ制度史――権利設計と排除の同時進行1776年から1971年までを第四の検証線としてたどり、憲政、司法審査、奴隷制、先住民排除、再建の挫折、ニューディール、公民権運動を同じ座標に置く。